中井正嗣の先客万来

「中井政嗣氏のコーナー」担当:中井 政嗣 ヤッタねー。中井のコーナーを作ってくれたようで…。しんどいような、嬉しいような…。ともあれ折角できたのですから、ウダウダとお付合い下さい。

第14号(2006年01月06日)

できるやんか!「情熱」

今、本屋さんでは「生協の白石さん」(\1,999講談社)がベストセラーになっている。国立大学に入っている非営利団体の生協で働く白石さん(白石昌則さん)が、学生達から寄せられる質問、疑問、要望等の「ひとことカード」に対し、回答して掲示したものが、学生達の間で評判になり、口コミで広がり、そして出版され、大ベストセラーになった。なぜ、そうなったのか。出された意見や要望に対して、どんなものに対しても無理だと諦めず、なんとか実現させようという姿勢で対応している。ユーモアと絶妙の変化球を織り交ぜながら回答する誠実な人柄であること、決して相手を失望させること無く、むしろ自分のファンにしてしまうような回答の数々は、ちょっと変わったビジネス書として読んでも面白い。デジタル時代の昨今、こんなアナログの対応が、学生をはじめ社会人に至るまで、立派に通用していることに感激した。やはり人の心を動かすのは、熱意、情熱である。外食産業もあらゆる戦略や戦術を用いて悪戦苦闘しているが、そんな中でも実績を伸ばす店がある。相手(お客様)の立場にたち、白石さんと同じような考え方を徹底して接している。単純で当たり前のことを、凡人はなかなか出来ない。出来ても続けられない。ここに大きな差がある。
ファンドやIT時代を反映した投資家達が、企業、経営をマネーゲームの道具としている。そして起業家を目指す若者が、それに憧れる。「ええ加減にせい!」必ず淘汰される日が来ることを確信している。世の中は、そんなに甘くはないのだ。専門知識を学び、それを誠実に実行し、そのことがお客様に評価されてこそ企業は継続する。私も有頂天になった時期もあった。その時にピンチの種蒔きをしていたことを、今頃になって反省している。「汗を流しなさい」苦しみや厳しさ、また寂しさに耐えてこそ、強い体質となることを先人達が立証してきた。経営は、100m走でもマラソンでもない。駅伝なのだ。第1走者の「何のために起業する」、その思想が最後まで影響を及ぼす。勤勉、努力、誠意、始末が、日本を経済大国にした。その熱いロマンが、今も息づいている。

第13号(2005年10月11日)

「戸籍年齢に惑わされずに」できるやんか!」

9月15日は、私の60回目の誕生日だった。以前は「敬老の日」として祝日だったが、今は変更された。50歳を超えての誕生日は、「めでたくもあり、めでたくもなし」。

昔の平均寿命は50年といわれたのに比べて、現在は80年。女性の場合は100歳に届こうかという長寿である。単純に計算して戸籍年齢の6掛となる。余裕を持って7掛ぐらいが丁度良い。今年は特に、私にとって「還暦」という節目に当たった。同年齢の友人等はそれを祝っているが、正直言って私にはピンとこない。精神年齢はもちろんのこと、体力的にも、まだ衰えてはいない、実に充実している。
過日、ラジオ放送で「長生きをする秘訣、か、き、く、け、こ」を聴いて納得した。
「か」感動、感激派ですか?(面白かったら笑い、悲しかったら泣けば良い。年齢を重ねるにつれ、少々のことでは喜びも悲しみも表情に出さなくなる。感動や感激は素直にならなければ起こらない。)
「き」興味持っていますか? 好奇心旺盛ですか?(何事も興味を持てばこそ始まる。)
「く」工夫していますか? 知恵だしていますか?(勉強は仕入れ、仕入れれば実行する。そこから知恵や工夫が生まれる。)
「け」健康ですか?(身体と心の健康です。病は気から、気は病から。)
「こ」恋していますか?(恋の漢字、心は下に、下心。愛の心は真中に。恋愛は真に下心と真心の関係です。恋は異性だけに限らない。仕事に恋する・・・、ときめきです。)
さて「かきくけこ」、自分にはどれほど当てはまっているか。若い人たちは全て当てはまっていると思う。
人の誕生は予告してくれるが、死は予告してくれない。宿命は変えられないが、運命は変えられる。芥川竜之介の言葉に「運命は、その人の性格によって決まる」と。そして「人間の価値は、その人の行動によって決まる」とも。
何かと心残りはあっても、やはり毎日を悔い無く、一生懸命過ごすことだと思う。何事にも全力投球。アッと言う間の60年であった。自分が何歳であろうが、「今のこの歳が最良の歳である」と言い切れる、そんな自分で居続けたいと心に誓う。
戸籍年齢に惑わされるな!

中井 政嗣

第12号(2005年07月01日)

「マニュアル・できるやんか!」

お好み焼き専門店「千房」の52店舗目が横浜そごうに開店した。二日前に初めて現場を見た。以前から、立地条件や店の図面などは見ており、充分に把握はしていたつもりでも一抹の不安はある。今までに60店舗以上開店させていても、この気持ちは変わらない。まるで自分の子供の誕生と同じだ。また、今までに十数店舗の撤退もしてきた。周囲の環境の変化により、お客様の流れが変わったなど、色々な要因がある。出店で現地調査をしたとき、必ず「これはイケる、ダメ」が瞬時に判断できた。永年の経験や実績によって、勘が働くのだ。「直感」これほど確かで、また不確実なものはない。最近つくづくそう思えるようになった。私が社長として、永遠に現役を続けることはできない。必ず二代目に受け継がせなければならない。「私を見て習え」、昔はそれで通じたが、今は時代が違う。「一を聞いて十を悟れ」と言っても、そんな環境で育っていないのだ。気付きの心が培われていない。外食産業も急ピッチでマニュアル化が進められた。つい最近まで、私はマニュアルが大嫌いだった。「落語の台本を読んで面白いのか」と、接客の仕方も十人十色、「マニュアルなんかでできるわけがない!」と、しかし冷静に考えてみると、いくら名人でも台本があるのだ。名人といえどもアドリブだけで終始笑わせることはできない。やはり台本があって、そこに名人芸が加わり、光り輝くことを・・・、今頃になって気付いた。基本マニュアルが必要であることに・・・。知らず知らずの間に、積み重ねてきた体験や経験によって磨かれてきた感性は、基本マニュアルとして残さなければならない。従業員の誰もが共有できるものとして作るのが、私の義務だと思う。ディズニーランドの接客の秘訣は、やはり素晴らしい台本が存在している。それをマスターしてこそ、マニュアルを超えた、一人ひとりの個性が、輝き活かされる。外食産業は、満腹から満足へと大きく変化した。そして今、新たな安全・安心も加わり、台本のページは日々増え続けている。だから面白いのだ。オープン前日に、全従業員に対し研修を実施した。従業員を我が子と思い、必至に語った。どれだけ通じたのかわからないが、私の熱い思いだけは感じてくれたと信じたい。そして、オープンした。活き活きとした従業員の姿に「この店も繁盛間違いなし!」、確信して、ハッとした。何故そう思ったのか? またマニュアルが一つ増える。

中井 政嗣

第11号(2005年05月09日)

「参考人・できるやんか!」

国会から参考人としての依頼が来た。今回は2回目だから驚きはしなかったが、2年前の時はびっくりした。(証人喚問と勘違い、身に覚えがない!)内容を聞いて、私に意見を求めるとは国会もレベルが下がったのかと…。今回のテーマは、参議院・経済・産業・雇用に関する調査会で「フリーター・ニートなど若年者をめぐる雇用問題について」。私も日頃から、色々と若者の仕事観に対し疑問を持っていた。そもそもフリーターやニート等と言うのは、日本語では「無職」なのだ。横文字になると何となく格好良く聞こえる。テレビなどで「あなたの職業は?」の問いに対し、「フリーター・ニートです。」と自信を持って答える若者に、「無職と言え!」と思わず言いたくなる。参考人は私のほかに「育て上げネット」理事長の工藤啓さん、東京大学社会科学研究所助教授の玄田有史さん、兵庫県教育委員会教育次長の杉本健三さんの4人である。各々、基調報告を15分間話し、その後、各党の議員からの質疑応答が2時間。参考人の皆さんの発表は素晴らしかった。私の番が来た。今更、取り繕っても仕方ない。日頃、話している調子で素直に話した。しかもバリバリの大阪弁で!。
私は勉強が嫌いだった。学業成績も悪い。家が貧しい。中学を卒業して就職をした。夢・希望なんて持てるわけがない。37歳、千房が全国展開真っ最中の時に、私は大阪府立桃谷高等学校に入学をした。なぜ高校に行ったのか?。私の子供が進学の時期となり、受験に失敗。先生から『息子さんは親の背中を見て育っています』と。私もせめて高卒の学歴は欲しいと思って入学をした。しかし進学をしてみて、学歴よりも学問が大事だと思った。16歳の時に父が亡くなった。「自立しなければ、独立しよう!」しかしながら辛いこと、寂しいこと等、様々なことがあった。だが目標が自分を支え、励ましてくれた。決して努力が目標ではない。必ず結果がついてくる。大きな目標を目指すには、小さな目標が必要である。目標は50万円。お金は、使わんかったら貯まる。実践によって自信がついてきた。
「あんな人になりたい!」私の周囲には憧れる人、目標となる人が沢山いた。みな努力をしている人ばかり。自分の努力は苦にならなかった。憲法で謳われている国民の義務の一つに「労働の義務」がある。義務を果たさない、無職の人たちに言いたい。「理想ばかりを追い求めるより、3万種類もある職業の中から選択をするのに、何が足りないのですか? 嫌なことがあるから、好きなことが出来るのですよ! 目を覚ませ!」

中井 政嗣

第10号(2005年03月03日)

できるやんか!「三日坊主」

千房を創業して31年。当時、毎月の給料は現金で手渡しだった。物理的や色々な理由で、今では銀行振込である。給料明細書と共に、私からのメッセージカードを添えて丸18年になった。実に216ヶ月だ。自分でも驚いている。まさか、こんなに長く続けられるとは思ってもいなかった。従業員と接する機会も少なくなり、それに代わるものとして手書きのコメントをスタートした。このことは、私の親友が従業員に毎月メッセージを発信していることを知り、「これはいける!」と真似事から始まった。
「三日坊主」の私でも3回(3ヶ月)くらいならできる。3回目が終わったとき、初心に返り、「あと3回続けよう」「せめて1年は続けよう」と思った。しかし続けることを意識するので内容が乏しい。文章につまったり、スケジュールに追われたりで、何度も「止めたい」と思った。正直、精神的にプレッシャーもあった。誰からも強制されず、自身で始めたメッセージである。そんなある日、従業員からの感想文が私の元に届いた。これが大きな励みとなり、勇気が湧いてきた。「読んでくれているや!」嬉しかった。やがて1年が過ぎ、3年ともなれば「石の上にも三年」、慣れ親しんできた。毎月が当然のように感じる。小さな実績ができた。自信にもつながった。友達にも配り、色々な感想が寄せられるようにもなった。書き綴る内容はてんこもりあり。約600字の下書きの段階でテーマを絞る。できるだけ普通名詞を心がける。気が乗っているとき、そうでないとき等、素直な感性が感情となり、強弱が毛筆に表現できる。そして18年、書き始めた頃と比較すると随分と上達した。そう見える。字も大人になった。今は「止めたい、止めよう」、そんな考えは全く無い。「継続は力なり」最初から大きな目標を持っていたわけではなかったが、小さな目標「三日坊主」を達成した。また新たな小さな目標を目指す。その繰り返しによって、知らず知らずに振り返れば18年。誰もが最初から才能があるわけではない。積み上げた実績が能力として評価された。わずか一つのメッセージカードだが、このことは色々なことにも連動した。理屈ではない。継続して解ったことである。やはり実践は強い"やってみなはれ"

中井 政嗣

第9号(2005年01月05日)

「そんな気がする・予感する」

新年明けましておめでとうございます。年の初めに、今年はこんな事をやりたい、こんな年でありたい、色々と計画を立てられることでしょう。「一年の計は簡単にあり(一年の計は元旦にあり)。」
「そんな気がする・予感する」実はこの事は的中します。可能性があるから感じるのです。人間は無限の可能性を秘めています。「夢や希望を持ちなさい」よく言われる言葉ですが、本当にそれを信じていますか? 少しは理解していても、心のどこかであくまで夢であり、希望であるから単なる言葉のみで、いつの間にか諦めで終わっている人が大半です。心の底から願う人にこそ実現するのです。私の友人で、7年前には経営者の片隅にいた青年がいました。彼は「将来は株式を上場して日本を動かせたい」と目を輝かせ、希望に燃えて話すのでした。私は正直、当時では考えられない! と思いながらも「頑張れよ!」と言う他ありません。彼の気迫にうなずき、微笑むだけでした。数ヶ月に一度会う程度の関係でしたが、相も変わらね彼の情熱。私は、この男はいつか必ず成し遂げる、夢物語と感じていたのが確信に変わっていったのです。
先日、見事に彼、近藤太香巳(37歳)の株式会社ネクシィーズが東証一部に上場しました。その日の日経新聞朝刊の全国紙一面に全面広告記事が掲載され、それを目にした時、私は感動しました。人に恵まれた、運が良かった、それもあるでしょう。しかし何と言っても彼が言った「そんな気がする・予感する」と自分を疑わなかった、その熱意と行動に心から敬服します。業界の頂点に立った彼に、これからの目標は? と尋ねました。一瞬戸惑ったが、はっきりと「社会のお役に立ちたい。社会が求める企業であり続けたい。」家族のこと、従業員に対する思いは、真剣な眼差しと共に身体から滲み出る雰囲気でした。また一回りも成長した彼に、「その気持ちをいつまでも持ち続けること」と言うのが精一杯でした。身近なところに夢を実現した一人の男の存在は、周囲に大きな夢とロマンを与えました。年齢は若くとも、その志は立派な企業人としての堂々たる姿でした。世の中はまだまだ変化します。そして進化もします。ちょっとした自分の変化、これが「決め手」だと思います。

中井 政嗣

第8号(2004年11月04日)

異常気象を思わせる今年の台風。すでに100名近くが亡くなり、今なおあちこちに大きな傷跡が残る。

その最中に、今度は新潟県中越地震が起きた。日が過ぎるほどに、その被害は計り知れない。このような惨事は私たちも体験した。阪神淡路大震災である。まもなく10年になるが、表面上は全面復興したかのように見えるが、少し裏通りに入ると未だに復興は進んでいない。ボランティアによる募金活動も続けられているが、世間の関心も薄れているので、一層取り残されている感がする。連日の新潟県中越地震の報道が、決して他人事とは思えない。地震大国日本。どこで発生しても不思議は無い。ライフラインが止まれば、社会は完全にマヒ状態となる。何と脆い社会システムか。電気、ガス、水道までもが企業に頼る時代。確かに便利にはなった。科学や技術などは、一部の優秀な人たちによって目覚しい進歩を遂げた。そして、それによって隅々まで支配されてしまった。果たして人間は進化しているのか。友人の考古学者が言った。「一部の進化した人間によって、多くは退化している」と。人は不便になったり、不自由になって知恵と工夫を生み出す。本来、人間は強く逞しい生き物なのだ。また全国民が注目した奇跡の救出。大勢の人たちが、命がけで幼い命を救い出した。これから新潟は厳しい冬に突入する。全てを失くした数多くの人たちを思うと心が痛む。全国から沢山のボランティアも新潟入りした。
人間の価値は、その人の行動によって決まり、やりがいや生きがいは自分がどれだけ社会の役に立っているかによる。あなたは何でサポート? 1.労働、2.お金・品物、3.知恵や工夫、4.人脈。全てを選択できれば良いが・・・。
「そんなことをしてもキリがない」-「キリがないほどしたことがあるのか?」
「一人ぐらい実践しても効果がない」-「そんな事はない!」
嘗ては、私も自分自身のことしか興味がなく、身勝手な一人だった。様々な人のお陰で30年が過ぎた。社会の仕組みも何となく理解もできる。「共に咲く喜び」、これこそが究極の喜びだ。与えられる喜びを知った者にしかわからない、与える喜びを!歳末助け合いも間もなく・・・。忙しくなるぞ!


中井 政嗣

第7号(2004年07月02日)

拙著「できるやんか!」(潮出版社)が、お陰様でベストセラーの仲間入り。

嬉しいような気恥ずかしい気持ち。全国から数多くの手紙が届く。「勇気が湧いてきた。元気になった。」と。何故だろう。特別な人間ではない普通の人間が、当たり前のことを当たり前のように実践した。その結果が大きな成果となった。特別なことではなく、誰もができる当たり前のこと。一度はできても悲しいかな続けられない。「自立したい!」。明確な目標持つ。その思いは素晴らしいことであるが、これは一の力。それに向かって実行する。これが十の力。しかしそれを続けると百の力となる。目標をあげて、夢と希望を持ち、行動する。しかし実現に向かって実践する方法を知らない。独立という方向は一つだが、方法は数多くある。

私は16歳で父を亡くした。独立という目標はあったが、誰もあてにできない。同郷の大先輩から「お金が欲しい時には人を追いなさい。」とアドバイスを得た。まだ社会の善悪もあまりわからない私にとって、年長者の人達は親父のような存在だった。言われることは全て素直に受け取った。「お金は使わんかったら貯まる。」これは解りやすい。即実行!「金銭出納帳をつけろ!」小、中学校で夏休みの絵日記すらつけたことがない私。でも「何かにすがらなければ・・・」、そんな思いでつけ始めた。道で五円、十円拾ったことまで記帳した。後にそのことが千房独立資金3,000万円の担保として、信用組合から融資していただいた。

人は必ず見ている。また必ず手を差し伸べてくれる人がいる。努力したら成功する、そんな保証をしてくれたら誰もが努力するだろうが、そんな保証は無い。しかし成功されている人達は百パーセント努力されている。昔は皆が努力していた。だから成功するのが難しかった。しかし今は「ラッキー!」で、あまりにも怠け者が多い。これは大いにチャンスである。ちょっと努力すれば勝てる。もう直ぐ大阪も梅雨明け。「♪あめあめふれふれ母さんが・・・、ピンチ、ピンチ、チャンス、チャンス、ランランラン」。陽気に明るく活き活きと・・・。苦しいとか、厳しいなどは、それがクリアした時には、全て「あぁ~、あの時がチャンスだった」と、必ず思う。人のアドバイスには素直に従い、そして続ける。「継続は力なり」思い立ったら吉日。パワーある今から即始めよう! ちょっと頑張りや!


中井 政嗣

第6号(2004年04月30日)

私の本「できるやんか!」(潮出版社)が、お陰様で一人歩きしています。

過日、読者から熱烈な手紙を戴きました。「感銘し、涙しました。」「自然にジワーッとにじんでくる涙、久し振りです。」とも書かれています。そして「人の輪の片隅に入れていただきたい」と。大変嬉しく読み進んでいくうちに、目が点になりました。○○組、組関係の人です。しっかりとした文章と文字。住所や連絡先、しかも返信用の切手を貼った封筒まで同封されている。「どうしよう・・・。」このまま放っておいたら、またややこしくなるやも・・・。四月十日の出版祈念パーティーも迫っている。ともあれ、まず彼に電話をしようと決心した。活き活きとした彼の声が返ってきた。まずは一安心。彼は素直に「できるやんか!」に感動していたのです。お互いに仕事も肩書きも外しての会話を交わした。そして「会いましょう」と約束もした。1,730名参加の祝賀会も無事に終わり、いよいよ彼とご対面。「どんな人やろ」ハラハラ、ドキドキ。定刻前に彼は約束の場所に来て、私を待っていた。道頓堀のうどん屋さんで、昼の食事です。「始めまして」。互いに名刺交換。組のマークが光っていた。鋭い目も、笑うと意外にかわいい。思わず「いい顔やんか!」と言ったら、また笑う。会話が直球になった。「何食って生活してんの?」から始まり、組のシステムなど、私は聞き続けた。彼は誠実に答えてくれた。うどん屋さんから、場所は喫茶店へと移り、一層突っ込んだ話となった。「私は、身体にイレズミは入っていますが、暴力団ではありません。侠客精神を忘れることなく企業集団を作りたい。」と輝いている目で夢を語る。四十歳とはいえ、いまどき失われている礼儀作法や言葉使いなど、共感できるものが数多くあった。私には次の予定もあり、また会社にも彼と会うことを告げていたので、きっと心配していると案じながら、ふと時計を見ると、彼と出会ってから既に三時間が過ぎていた。何とかこの人に真っ当な道を歩んでもらいたい!。私も必死に語り続けた。「○○さん」と呼んでいたのが、いつのまにか「○○くん」に変わっていた。自然に変わっていたのです。

また新たな「出会い」が始まった。たった一通の手紙から「逢(お)うたが因果」。人それぞれに生き方があります。道は違えど人間として、日本人としての誇りを持ち、命「一生懸命」生きている人に私は共鳴します。彼を"変えてあげよう"なんて思えません。過去と他人は変える事ができないからです。しかし彼は何かを感じたに違いありません。自身の過去を振り返り、家族とは、生きがいとは、そして幸福って何やろ。未来と自分は変えられると気付くことを念じて、次回の約束をした。別れ際、固く握り返した握手に手答えを感じた。


中井 政嗣

第5号(2004年03月03日)

BSEに始まり、鳥インフルエンザ等、外食産業を取り巻く環境はいっそう厳しさを増しています。

友人の牛丼屋の社長が、それでも必死に経営に取り組まれている姿に感動します。誰もが予測もしない事態に直面した時の、トップの考え方、とらえ方が大きく経営を左右させます。

トップたるもの 1.誠実である。2.素直である。3.実行力がある。

「危機管理」、この言葉はよく耳にしますが、外部要因ではどうしょうもありません。しかし、それに立ち向かわなければならないのです。彼はすぐにアメリカに飛び食材の交渉。一企業であっても、このことは日本全国に関係することです。「速い、安い、旨い」、このコンセプトにどんな秘策を打ち出されるのか、大変興味を持っています。

 牛や鶏だけでなく、いつどんな食材にウィルスが入り込むか油断ができません。決して他人事ではないのです。特に食の安全、安心が叫ばれている昨今、「安全」はその国の法の基準をクリアすればOKですが、「安心」には感情が伴います。これが厄介なのです。人の口が口コミとして一気に拡がり、それが噂となり人の心の中に入ります。

 食中毒を起こしたある企業が、その後、徹底した衛生管理を実施しているのに、やがては倒産という結果になったケースも少なくありません。恐ろしいことです。たった一人の不始末によって起きたことが大事故となるのです。100-1=0が社会です。あなたの存在が、社会に大きな影響を与えることを少し自覚すれば、世の中はきっと安心できる社会になると思います。

 「できるやんか!」、3月25日に潮出版社から拙書が、全国一斉発売されます。私もお陰様で色々な体験、経験を積み重ねてきました。「もうアカン!」、そんな思いも一度や二度ではありません。そんな事を赤裸々に執筆したのです。是非、立ち読みでも良いですからお読み下さい。何かを感じていただけるものと確信しています。

 人生、そんな難しく生きるものではないと思います。多くは考え過ぎです。豊かな人生とは、今を感謝するところから始まるのです。何かが前に立ちはだかろうとも逃げたらアカン!、必ず解決するものです。閉じこもらずに一歩外に出てみたら…。枯れ木のような木にも新芽が顔をのぞかせる季節、偉大な自然のエネルギーには我々人間の力なんか「へー」みたいなもんです。


中井 政嗣

第4号(2004年01月05日)

「できるやんか!」

新年明けましておめでとうございます。日本ではお正月は色々な意味で、格別な思いがあります。「今年こそ…」と、全ての初まりです。夢や希望を持つ。昨年を振り返り、あなたはどんな年であったのでしょうか。良いことも悪いことも全て原因があっての結果でした。過去は変えられません。新年を迎えました。「まかぬ種は芽生えぬ。」良い年にしたければ、それなりの計画が必要です。「一年の計は簡単にある(一年の計は元旦にあり)。」たまたまなんてありません。必然なのです。一年の出発、一ヶ月の出発。そして一日の出発である元旦は大変意義深いものです。
そんな気がする! 予感がする! 予感は不思議に当たるのです。可能性があるから予感がします。だから嫌な予感はしない事を心掛けること。そんな大切なお正月をサポートしている人達がいることも知って貰いたいと思う。今時の若い従業員が元旦から仕事をしています。「我々外食産業の使命は、お客さまに夢と希望を!」、更に「明日への活力の再生産の場」としてサポートしているのです。が、「私は客だ!」とばかりに好き放題されるお客さまも少なくありません。従業員も生身の人間です。感情があります。楽しい食事のひとときです。従業員にも気持ち良くさせることで一層場が賑わいます。若い従業員も人並みに友達や家族と共に遊びたい! 楽しみたい、と思っています。仕事柄、また宿命とは言え、私にとっては手を合す思いです。我が家にも子供がいます。数年前まで毎年お正月には、関西の従業員だけですが「おせち料理」を女房、子供も総動員して従業員のために作っていました。時代の流れ、食生活の変化により、あまり歓迎されなくなり止めることになりましたが、それでも従業員に対する励ましと感謝の気持ちは変わりません。
ともあれ、輝かしい新年を迎えました。悔いの無い一年を過ごすこと、その連続が一年の積み重ね。喜びや悲しみ、楽しみも苦しみもメリハリの効いた、豊かな人生として謙虚に受け入れる。そんな生き方ができれば、もう不安なんて持ちません。芥川竜之介さんの言葉に「運命はその人の性格にある」と断言されています。性格も環境によって変わります。未来と自分は変えられますから…。「何食べたらそんな性格になるの?」「決まってるやろー! 千房のお好み焼き食べてみー。」
今年も楽しみながら、あなたと共に心穏やかな一年でありますように念じつつ 乾杯!

中井 政嗣

第3号(2003年11月04日)

「男は度胸、女は愛嬌」 

近頃では死語になりつつの言葉ですが、その愛嬌を国語辞典で調べると、人にかわいがられる、かわいらしい、人づきのする人、おせじが上手い人、商売などでおまけにそえるもの等と書いています。ついでに愛想は、人あたりのよいこと、人づきのする人、もてなし。とあります。愛嬌と愛想は似ているようでも少し違います。女性の社会進出が活発になりました。女を捨てて(?)頑張っている人、日経新聞片手に「男なんぞに負けてたまるか!」とバリバリ仕事に夢中な人。一時は良くても、残念ながら結末はたいていが失敗しているのです。何故だろうか。生意気な知ったかぶりで、自分はモテていると錯覚し、男は野蛮な人種と思い込んでいる女性も少なくありません(私の回りには一人もおりません、念のために)。女性には、男性にはない素晴らしい武器があります。すぐに勘ぐる人もいますが、そうではなく、男には絶対に真似のできない、しなやかさ、なおやか、たおやかな美しさ、温かさと優しさ、弱々しいものではなく凛とした美しさです。雄大な懐の深さを表しているのです。それが愛嬌として表現されたら、これほど回りに潤いを与えるものはないと思います。男性が求めているのは、そんな女性と共に手を組みたいと思うのです。男をダメにしたのは女性です。決して過言ではありません。男はやはり強さと厳しさです。男と女、お互いに役割があるのです。私は差別や偏見など一切持ってはおりません。ここまで続けて書いて気付きました。女性のことに触れるといかに気を使わなければならないのかと憂鬱になってきました。さわやかに愛嬌について語りたかったのに………。
あぁ~、思い出してしもた。昔の唄に「…こんな女に、誰がした~」 反省 。


中井 政嗣

第2号(2003年09月04日)

のっけから質問です。

あなたは自分ことを「運が強い」と思いますか?、それとも弱いと思いますか?、どちらですか? 直感でお答え下さい。考えなければならない人は、どちらかと言えば弱い方に入ります。不思議ですが、弱いと思っている人は決して見栄を張って「強い」とは答えません。また強いと思っている人が謙遜して「弱い」とも答えないのです。
松下政経塾の入塾の審査は二つだそうです。その一つ、自分は運が強いと思っている人、二つ目は愛嬌のある人だそうです。ペーパーテストはありません。だけど、この運の強さと愛敬だけで十分なんだそうです。「運が強い」と思っている人は、何事にも前向き(プラス指向)です。それに逆境に強いのです。災いにも決して逃げないで立ち向かっていきます。正に「ピンチをチャンス」のように行動するのです。その気迫がとても大切です。そしていつも何かに燃えています。好奇心旺盛で、何にでも挑戦するのです。年齢に関係なく、「何事にも挑戦する勇気を失わない限り、いつまでも青春」なのです。つまりストレスが溜まらない。ストレスなんて言葉の無かった時代には「ゆううつ」などと言っていました。今は簡単に言葉にしますが、「ゆううつ」になる人は物事を深く考え過ぎ! 運が悪いと思う人のかかる病です。「人間死ぬ気になりゃ何でもできる」、たいていの事は解決するものです。しかしその前にその気になること。そんな予感がする(予感は的中します)こと。その気になれば、やる気になって、本気になって、命を懸けるようになる。理解はできても、誰もは続けられない、だから面白いのです。誰もが頑張ったら、私なんか負けてしまいます。怠け者、浪費してくれる人がいるから、ちょっと努力する者にでもチャンスがある現代は本当に有り難い世の中です。
作・演出・主役の自分の人生ドラマ。どんなドラマを創ろうとしているのですか。平凡なドラマですか、サスペンスですか、いずれにせよメリハリの利いた方が傍から見ていても面白い。ある脚本家がこんなパターンがあると言っています。1.主人公が善人で無力。2.その主人公が壁に当たる。3.その主人公を見守っている人がいる。4.その主人公が壁を乗り越える。涙もののドラマのパターンです。
このページに巡り合えただけでも、あなたは大変運の強い人です。自信を持って下さい。そう、あなたの考え方、捉え方、感じ方、生き方、環境、その全てはあなたの「心」次第です。ちょっとした「心」の変化によって運命が変わるのですから…。今から「超ラッキー!」と言い切るあなたであり続けて下さい。乾杯!
次回は愛嬌についてお話しします。お楽しみに… 。


中井 政嗣

第1号(2003年07月07日)

今年の阪神タイガースはムチャ強い! 何でだろう、何でだろう? 「点を取るからです。」

いくら守備が完璧でも絶対に勝てないのです。ホームランもありますが、コツコツとヒットで繋ぐことは、とても意味があります。チーム全体が一丸とならなければ、点が入らないのです。そして一人ひとりの存在感が明確になるのです。それは経営も同じです。経費の節約やリストラなど、必死に守備固めをやってもいずれは負け組みとなってしまいます。何が何でも売上げを上げなければ経営の勝負には勝てません。
今の経営は守備が固いため、なかなかヒットを打たせてもらえない、から面白いのです。技術はもちろん、先を読む能力が問われています。バブル時代のような誰もが打てる時代ではないのです。
タイガースも暗~い、長~い18年があったのです。その間、監督が替わり、選手も変わりました。しかし何よりも熱烈なタイガースファンが支え続けていたのです。「優勝」という夢のような「志」があったのです。
開幕戦は毎年調子が良いのですが、5月に入るとハラハラドキドキ。いつもは6月には連敗するぞー。優勝なんて無理、無理。ダメ、ダメ。誰もがいつもの悪夢を予想したに違いありません。
先日、女性起業家の会の龍岡さん(生まれる前からタイガースファン)、ベンチャーコミュニティーの辻阪さん、フリーのキャスターの赤碕さんと千房の美味しいお好み焼きを食べながら、何故か川柳談義となりました。私は日頃、桂三枝師匠率いる「川柳の会」に所属しているので少しは心得があり大いに盛り上がりました。最初、タイガース川柳を考えていたら、皆がベンチャー川柳に通ずるところが沢山あることを発見したのです。皆は勉強熱心でした。
「志 捨てずにやっと 起こす業」
「無理とダメ 一般人の アドバイス」
「花咲かそ 口ばっかしの 支援策」
「人の和も 使い切ったら 種を蒔け」
「はやまるな すぐに芽が出る 種はなし」
「ベンチャーの 計画前に 人づくり」
「あてにすな 人の言葉と 裏バンを」
 いかがですか?
今回よりあなたとご一緒に「共育」の始まりです。肩の力を抜いてポテンヒットで…。


中井 政嗣